ヒグマ
親父が確か、本州方面に出張中の秋口の出来事だ。真夜中にポチがものすごく吠えていた。小学校一年か二年生の時だ。哲でも目が覚めるほどだった。でも、布団にしがみついたたまま朝を迎えていた。朝になって、学校下の箕島さん家の子馬がヒグマに襲われていた。
超田舎、物騒なので小原先生が我が家に泊まってくれていた時だと思う。ポチがあまりにも吠えるので、先生もおふくろも外に出てみたそうだ。枯れたシバを折る、パキッ・パキッ~という音が聞こえるだけだったんで、家に入って寝てしまったとのことだ。
山では食料が不足し、ヒグマが食料を求めて人里に下りてきたらしい。そして、子馬を襲い、その後は更に羊まで襲っていた。ヒグマは、襲った獲物を一度に全部は食べない。襲ったときは大体がその内蔵部分だけを食べて、残した物は穴を掘って埋め、また後で食べに来るという賢い動物だ。
何しろ、我が家から50mと離れていないところを通り、学校の直ぐ下にある家の家畜を襲ったのである。ヒグマの散歩道と言っていい、そこに我が家はあったのである。家の直ぐ傍は沢になっていて、沢の向こうが有刺鉄線で囲まれた牧場になっている。有刺鉄線を乗り越えて、ヒグマが我が家の傍を散歩したのだ。夕方、おふくろに生ごみを沢の付近にあるゴミ捨て場に捨ててきてといわれる。ハ~イ!と言って捨てにいくのだが、行きはそ~っとゴミ捨て場に行き、捨てた途端、一目散に走って帰ってきた。子供にとっては必死のお手伝いである。熊に襲われるかもしれないのだ。
おふくろは、いつも洗濯物をすすぎに森の中の近道を通って、川へ行っていた。ポチがいつもおふくろについて行っていたが、ヒグマがそこを散歩してから、ポチは絶対に森の中を通らなかったそうだ。おふくろが先にたって、近道を行こうとするのだが、ポチは絶対についてこようとしなかったそうだ。遠回りだが、おふくろはあきらめて、学校の下の広い道路を通って川まで行ったと笑いながら話していた。犬もヒグマは怖いはずだ。
家畜を襲ったヒ熊は、家畜の味を覚え家畜を襲い続ける。だから、ハンターを動員しそのヒグマ退治をしなければならない。そのヒグマは、隠した獲物を食べにきた時にハンターのしとめられた。立ち上がると2mはある3歳のオスだった。肉が我が家にも配られ、カレーに料理された。自分はヒグマの肉を食べたと思うが、兄貴もおふくろも哲は食べていないと主張する。


Comments
今日テレビで知床の海岸の番屋の番組を観ました。
ヒグマが子ずれで、海岸の船着き場迄、来るんです。漁民のすぐ傍まで来て、海岸でカラフトマスを取っていました。
あんな傍で危険ではないのか、不思議でしたね。
しかし、哲ちゃんもよく無事でヒグマに食べられずに生き延びましたね。
Posted by: jo | February 27, 2005 at 10:32 PM
母さんと話したのですが、ポチは何時もなら先頭を切って行くのですが、その日は後ろからより来ず、絶対前に行こうとしなかったそうです。さすがの母さんも気持悪くなったと言ってます。
学校の裏は沢でなく、鬱蒼とした森になってました。熊の通り道には格好でした。有刺鉄線に熊の毛が絡まってましたっけ。その森を横切って川までの小道(近道)が付いてました。その森には漆の木も生えてました。かぶれたの覚えてますか?。隆ちゃんと哲さんが弱かった。
Posted by: 侃 | February 28, 2005 at 09:16 AM
昨年は本州でもクマ被害が大きく報じられ、クマに顔をひっかかれた人やかみつかれた人の映像が流れていて、クマの怖ろしさを知りました。
その時に動物博士であるムツゴロウさんが、
「クマから身を守るためには、犬を飼えばいい。」とおっしゃっていました。犬はクマが来ると、吠えて吠えて決してクマには負けないそうです。
哲さんところでもやっぱりポチを飼っておられたんですね。ポチくんがお母さんの身の安全を守ってくれてたんだなと思いました。賢い犬ですね。
Posted by: wd | February 28, 2005 at 04:04 PM