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March 01, 2005

山の秋

 豊寒別小学校の直ぐ脇は有刺鉄線が張ってあり、山ごとが牧場になっていた。寺井さんというお家の所有だった記憶がある。秋になると山葡萄、こくわ*、くるみを採りに山に遊びにいく。山葡萄は霜が降りるころはかなり甘くなっているが、何といっても酸っぱい食べ物だ。思い出すだけで身震いがする。こくわというのは、猫科の動物が好む”またたび”と形はにているが全く別物だ。熟した実は甘くてとても美味しいが、食べ過ぎると舌が割れる。アクが強いらしい。山葡萄もこくわもかなり大きな木に巻きついて成長する、木登りが出来ないと獲物を手にすることはできない。田舎の子供たちにとって、木登りの技術は必須なのである。 *”こくわ”でgoogleったら素敵な写真が出てきた(勝手にLink)。

 山葡萄は沢山採ってきてカメに貯蔵してぶどう酒を造るのだが、上手に出来た記憶はあまりない。それらしくはなるのだが、せいぜい山葡萄ジュース?美味しい記憶は無い。製造途中?で殆ど捨てられていたと思う。

 弟二人に小学校の上級生二人、一人はがき大将の”箕島のター坊”でもう一人は番平(ばんだいら)・・・漢字に自信ない・・・ン、名前を思い出せない。確か、オサムと言ったように思う~この五人組はよく一緒につるんで遊ぶ仲間だった。

 その時はくるみを採りに行こうということで、5人で山に入った。何故か風呂敷を持っていたのを思い出す。首に風呂敷を結びつけマントのようにヒラヒラさせて、山の中を歩いた。当時はまだ、黄色いマフラーのまぼろし探偵は流行ってなかったのに。まあどうでもいい。

 山での遊びを終えて、家路に向かっていたら2~3人の大人の人が歩いているのに出会った。君ら牛を見なかったかねと聞かれた。遊んでいる間、牛は見かけなかったのでその様に答え、まただらだらとしばらく歩いた。牧場が終わる有刺鉄線が張ってあるところまでは200~300m位のところまでは来ていた。そこで、10頭程の牛の群れに出会った。牛は急に驚かせたりしなければ、人間を襲ったりはしないおとなしい動物だ。

 ところがその時は少しばかり事情が違っていた。何か牛たちの様子が奇怪しいのだ。角を突きつけ我々を追いかけるではないか。最初は冗談だろうと思っていたが、真剣に追いかけてくるではないか。5人はそれぞれバラバラになって逃げた。当然弟は泣きながら逃げた。哲も泣いただろうって?泣くどころでなく、必死で逃げたと思う。

 とても牧場の外までは逃げられない。そこで全員が、手近な木に登り始め難を逃れようとした。不思議なもので、ガキ大将が上った細い木の近くに、我々兄弟も大将をまねて直径10cmも無いような細い木に登ってしまったのだ。小学校にも行っていない弟が登れるのは、そんな木だったのかも知れない。せいぜい2m位の高さまでしか登れない、そんな細い木だった。とにかく、その細い木にしがみついて牛が去るのを待つしかなかった。

 本当に怖い思いをした。今では笑い話だが、我々は生きた心地はしなかった。誰かが落とした風呂敷は食べてしまうし、我々の登っている木の下に来て、前足で地面を叩きつける、木に頭突きを食らわすは、その度に木が揺れる。皆、シッ・シッ、あっちへ行け!来るな!と、必死で叫んでいたのを思い出す。がき大将が登っている木は、揺れっぱなしだった。そう、ガキ大将は震えていたのだ。

 どの位木の上にいたのだろうか、やっと牛たちが去ってくれた。さ~っと木から降りて、一目散に牧場から出ようと走り始めたが、番平がいない。いた!枝が全く無いツルツルした直径20cm程の木の上の方に。到底そんな木に登れるような腕は持っていない筈なのに。

 とにかく無事に家に帰ってきた。ただ、収穫はなにも無かったことだけは確かだ。牛に追われて、獲物を捨てて逃げ帰ってきたのか、最初から収穫がゼロの山遊びだったのか、今では記憶は定かではない。後日談だが、僕たちを襲った牛たちはオスの2~3歳牛で、食用に出荷される気性の荒い牛たちだったと聞かされた。牛でこんな思いをしたのはこの時だけである。

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Comments

哲ちゃん

”こくわ”初めて知りました。熊が好きな果実のようですな?

食べ過ぎると、舌が割れる?ホンマかいな?
どうも、疑わしいな~~。あまり、食べすぎないように、親がそう伝えていたんとちゃいます?

ま~~、牛は怖いな~~、数年前、私も経験がある。

ミサヨの住むブルゴーニュに行った時に、でかい犬と二人で散歩にでたんですが、帰りの道でトウセンボする怖い顔した牛がいました。

どうやら、柵から出た牛らしく、一頭だけで、こちらを睨むんやね。200メータ程は離れて牛が何処かに行くまで、避難していた。

その時に、襲われたらどうするか?考えましたね。
やはり、哲ちゃんのガキの頃と同じ頭脳レベルでありまして、近くのくるみの木にいざとなれば、攀じ登ろうと作戦をたてていました。

Posted by: jo | March 01, 2005 at 07:58 PM

山葡萄、こくわを食べ過ぎると舌が荒れて来ます。多分、酸味が強くその酸で舌が侵され(熔かされる?)たのだと思います。胃酸過多で胃壁がやたれるのと同じ現象かと思います。おまけに舌で皮を押し潰しますので磨り減る?。食べ物が無い時代、どうしても食べ過ぎて居たのです。血が出た舌を見てみると、舌の白い部分(何て言うのかな?)が無くなり、その下の赤い部分(肉?)が直に見えてました(潰瘍状態?)。私は今でもレーズン(干し葡萄)を食べ過ぎると舌が痛くなり、当時を思い出しておりました。

Posted by: 侃 | March 01, 2005 at 08:44 PM

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